ブラック企業化する行政のなかで
2016年5月20日 Category: Myある記 Comment : 0
県内の各自治体は、それぞれの地域で、独自に市町村誌(史)を編集・発行し続けています。
その関係者がつくる団体(沖縄県地域史協議会)の総会に出かけてきました。
今回は浦添市が当番ですが、午前中にはいつも周辺の巡見があるので、いつも楽しみです(総会よりこっちが本命なんです)。
でも、集まったみなさんはあまり面白くないのか、巡見はいつも静か。地域史という共通項があるんですから(ボクは違いますが)、「もう少し盛り上ってもいいんじゃね」と思いますね。あまりの静けさに、案内する地元の方も力が抜けるんではと心配してしまいました。
既知の情報が多いからかもしれませんが、地元でしか聞けない話もあるし、人脈を作るいい機会でもあると思いますけどね。何となくモヤモヤしてしまいました。
有名な仲間樋川(フィージャー)。
仲間火ヌ神。
午後の総会で刮目したのは、地域史に関わる人たちへのアンケート結果。非正規雇用が多くを占める厳しい現状に、いまさらながら同情しました。
学芸員資格や教員免許を持つ優秀な若い人たちが、非正規雇用下で働く状況は、今に始まったことではないのですが、他の職種同様にますますひどくなっているんですね。
が、いっぽうで、動き出しの遅さに少々驚いたのも事実。正直、「今ごろ?」という感じなのです。
ブラック企業化が進む行政に異議を唱えることは、個人では難しいでしょうが、それでも、数少ない自治体の求人に、われ先に群がるような状況を続けていることが、問題の共有化や顕在化の動きを阻害し、孤立化を進めているように見えてきます(競争関係が続いている分けですから)
生活のためには仕方がないと言われるでしょうが、共通の課題を話合うだけでも孤立は和らぎ、違った地平が見えてくるのではないでしょうか。
地域文化とそこに携わる人たちが窮乏に瀕している現状を、一般の人たちにもアピールするとか、徒党を組んで何らかの行動を起こしてもいいのではないでしょうか。
そして、少しでも解決に向けて事態が前進するならば、あとに続く人にも勇気が与えられるでしょう。
優秀な人材が不安定な地位に置かれていることは、地域の損失でもあります。貧弱な文化行政に対して、みんなで物申す姿勢を示せば、共感する人の輪は広がるはずです。
自分は行政にいたことはないので、見当違いのことを言っているなら勘弁願いたいのですが、以上の問題は、われわれや先輩たち世代が先送りしてきた結果でもある分けなので、似たような仕事をしてきた身としては、責任の一旦を感じてしまうのです。
<三嶋>