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アメリカ人の沖縄戦

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デール・マハリッジ著『日本兵を殺した父』を読み、いろいろ考えさせられました。

著者は父親の死を契機に、父が体験したガダルカナル〜沖縄の戦いを長期にわたって調べ、帰還した兵士たちと家族の戦後に肉薄します。
彼らの多くは戦争後遺症(PTSD)で苦しみ、その家族にも陰鬱な陰を落としますが、赤裸々にあばかれるそんなアメリカの戦後は、これまであまり語られなかったのではないでしょうか。
戦争に勝利して帰還した兵士たちが、ほんとうに戦場で経験したことや、彼らが家に戻ったあとのことは無視されてきた、と著者は書いています。
戦争に勝者はいないということです。
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著者は父親の死後、戦友だった人たちをアメリカ中から探し、訪ね、彼らの戦争を追体験します。
12年をかけて行われたその追跡で、著者の家族を含めた兵士たち(ほとんど労働者階級出身)の、戦争に翻弄された人生や戦後の実像が明らかになります。
戦勝国の英雄譚や美談ではなく、あくまでも真実に迫ろうとする真摯な態度は、悲惨や怨嗟に満ちた戦争関連の書籍と一線を画すように思います(もちろんそれらの書籍に意味がないということではありません)。

著者の父親と同じく、兵士として戦ったボクの父親も心に闇を抱いたままだったか、何も語らないままずいぶん前に他界しましたが、どんな思いで戦後と向き合ってきたのか気になります。
そして、その体験を聞いていなかったことが悔やまれます。
<三嶋>

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