1万ドルの貝
2015年9月5日 Category: Myある記 Comment : 0
「生きている化石」といわれる幻の貝、リュウグウオキナエビスをヤンバルで見ました。
1978年10月26日、沖縄で初めて捕獲された個体です。
場所は伊江島沖で、水深120mの地点でした。
調べてみると、1969年8月には、同種の貝がフィリピンと台湾の間の深海で採れ、沖縄の青年が持ち帰って、「世界でわずか3個」と新聞で話題になっています。
また、記事中には、世界で2個目といわれる個体が、日本の水族館に1万ドルで買い取られたとあって、注目されました。
面白いのはそのあと、同年9月4日の琉球新報夕刊に掲載された、「ちっとも珍しくない“幻の貝”」「台湾漁民が大量採取」との記事。
それによると、前出の新聞を読んだ沖縄在住のコレクターが、自分も1個(もらったものを)持っていると名乗り出たほか、高値で売れた情報を知った台湾漁民が「それっ!」と採りに出かけると、たちまち200個以上が捕獲され、そのため相場が急落したとあります。
その後、沖縄初となる写真の個体が生きたまま捕獲されると、再び注目されるようになったので、今でも貴重な「幻の貝」であることは間違いないようです。台湾での価値がどうなったのか、はよく分かりませんが。
<三嶋>