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特定非営利活動法人
沖縄ある記
(地域文化支援ネットワーク)

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地域交流の試み〜新しい教育施設

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たまたま訪れた愛知県豊田市の施設。詳しくは知りませんが、地域の生涯学習の場と、中学校がドッキングした場所のようで、たいへん面白いと思いました。
前回は名護市営市場の一角に出来たミニ・ギャラリーで、今回は大規模な施設を紹介することになりましたが、ことほど多様な取り組みが試みられるのも、地域のつながりをめぐる課題が切迫しているからでしょう。危機感を持つ人が、増加しているように思いますね(ボクもだけど)。
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この真新しい建物は人の出入りが自由で、解放感にあふれています。
地域住民と中学生が同じエリア・建物を共有しているようで、異なる世代の交流を促進する大胆な試みだと感心しました。

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会議室・図書室・喫茶室などや、生涯学習の教室などがあるスペースと中学校との境。
同じ建物の半分が学校で、壁はないんですね。この日は連休だったので、体育館で運動する中学生しか見かけませんでしたが、普段の棲み分けはうまくいってるんでしょうか。
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自由に入れる休息スペースもありました。
組織体制や運営はよく分かりませんが、移住者の増加が目立つこの地域では、もともとの住民と引っ越してきた若い人たちとが一体とならなければ、未来はないとの判断が行政に働いたのではないかと推察します。

コミュニティーのあり方は、沖縄でもさまざまに論じられていますが、このような施設はあまりないのではないでしょうか。
少子高齢化の進展や災害への備えなどの面からみても、これからの社会は、共生の仕組みを建て直すことが重要でしょう。経済成長に固執するのではなく、誰もが共存できる地域社会を創る事が、生き延びる最善の方法だと感じます。
そんな具体的な方法を模索する時代に、ボクらはいつのまにか突入しているんですね。
<三嶋>

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名護に生まれたミニ・ギャラリー

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名護の美術家・宮城一夫さんが、市営市場の一角に、ミニ・ギャラリーを開いたというので、見に行ってきました。
ここはギャラリーでもあり、一夫先生が日ごろから話していた、さまざまな人が出会い、言葉を交わす地域の交流拠点でもあります。市民と同じ目線で美術と向き合うために、仲間と作った実践の場といえます。
積年の思いを形にしたのでしょうが、 “終活”の一貫(?)としてマイ・フィールドを手に入れたというのは、喜ばしいことですね。人が集まり、会話が生まれることで、当事者だけでなく周辺も明るくなります。

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1坪ほどしかないミニ・ギャラリー「スケッチ」。
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近所の子供たちやおじさんたちの作品(?)が、ぎっしりと詰まった空間。ここには観念に縛られた「アーティスト」の能書きや、屁理屈はないようです。
今は単にユンタクを楽しんでいるだけですが、笑顔を絶やさない一夫先生の胸には、熱い思いがフツフツとたぎっているはず。

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オーナーの宮城一夫先生(左)と、その右腕の玉城一男さん(右)。
名護市営市場の一角で起動したこのムーブメントに、那覇から声援を送りたいと思います。
が、何でも続けるのはたいへんですよね。
飽きっぽい一夫先生の踏ん張りに期待しますが、同じ歩調でボクも、この場所を支えたいとかなり真剣に思うんです。
<三嶋>

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スーパーお婆ちゃんの絵画展

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カジマヤー(97歳)のお祝いと、絵画展が同時に某ホテルで開かれたのは昨年のこと。
お婆ちゃんの名は、當間ヨシさん。
那覇で生まれ、戦後、国際通りでブティックを経営して成功し、東京に移ってから本格的に習い始めた絵を、数年前まで描いていたというスーパーお婆ちゃんです。

骨折を機に沖縄に帰って来たのですが、今年の旧正月のころから、県立博物館・美術館で個展を開催し、図録も作りたいという話が具体化し始め、沖縄ある記でお手伝いすることになった次第です。

那覇市内の自宅で観た當間ヨシさんの作品は、「お婆ちゃんの絵」から思い浮かぶような、素朴なタッチのものではなく、明確なテーマで表現も大胆でモダン。水々しい色使いや繊細なタッチは、年齢を感じさせません。
これが、80〜90歳の人の絵でしょうか。しかも、絵を描き始めたのが72歳と聞いて、二度ビックリ。
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マスコミに取り上げてもらったこともあって、初日から大勢の人が詰めかけて大盛況。
訪れた人は、「元気をもらった」「自分もがんばらなくちゃ」と語っていました。いくつになっても人は挑戦できるし、それが新たな活力になるというメッセージが、共感を呼ぶのでしょう。

大胆でビビッドな色使い、計算された画面構成・構図は、並の「後期高齢者」には出来ないのではないでしょうか。
沖縄初と言えるブティックを国際通りに開き、第一線でバリバリと仕事をこなしながら、一流のファッションセンスを磨き、身に付けたからではないかと想像するのです。
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當間ヨシさん、長女の宮里郁子さんと。
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自然への語らい
F130(194×162cm) アクリル 2002年(83歳)
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道しるべ
S100(162×162cm) アクリル 2006年(87歳)
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まわり道
164×164cm アクリル 2009年(90歳)

<三嶋>

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金武町を歩く

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『しまたてぃ』76号のため、金武を取材していますが、実際に歩いてみると、いかに何も知らなかったか身に染みます(いつものことですが)。
機会がなかったといえばそれまでですが、金武といえば反射的に「基地の町」や移民といったワードが浮かぶだけ。頼りない情報だけで、付け焼き刃がどこまで通用するか、いつも以上に “キンチョー”しました(おいおい)。

しかし、住んでいる人の話は、聞けば聞くほど面白くなります。
それが地域を歩く醍醐味でしょうね。座学の知識とリアルな体験の合致や、ズレも得難いものですが、皮膚を通してしか伝わらない現場の空気を体で感じることも、地域を学ぶには不可欠な気がします。
そのためにも、単なる「情報」ではない何かを感じる、センサーのようなものを鍛えることが、結構重要な気がするんです。
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金武町役場の下を通る道路は、戦前の県道だったということです。
どうりで中途半端に道幅が広いし、と思ってました。今は駐車スペースに使われていますが、かつては綱引きも行われた、メインストリートだったようです。
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「基地の町」のイメージがある金武町ですが、大通りから集落に足を踏み入れると、そこに広がっているのは沖縄の農村風景。
田畑をバックに、赤瓦の屋根や石積みが、意外なほどあちこちに残っていることに驚きました。
まだまだ奥が深い金武町。これからも機会があれば歩きたい所です。
<三嶋>

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安里公民館の勉強会

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県知事を激励し辺野古新基地建設に反対する、「安里・大道・松川の島ぐるみの会」による勉強会が、安里公民館で開かれるというので出かけました。
年輩方が大勢詰めかけ、辺野古や現在の政治状況を憂える切迫感に満ちていました。
社会が大きな曲がり角に来ている今、何をどうしていいか判断に逡巡してしまいがちですが、そんな時には先達の肉声を通して、歴史を俯瞰してみることも有効だと感じます。
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遺骨収集活動を続ける「ガマフヤー」の具志堅隆松さん。
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モノレールおもろまち駅の東にのびる高台あたりが、米陸軍がハーフムーン・ヒルとよんだ丘。
新しい道路(那覇中環状線)の建設で丘は削られ、写真のような風景が現在は眼下に広がっています。
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上の写真と次の写真は、2008年6月22日、ハーフムーン・ヒルで行われた遺骨収集作業の様子。
具志堅さんの呼びかけで、大勢のボランティアが参加して行われた結果、日本兵の遺骨のほか手榴弾や銃弾、遺品なども発見されました。
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すぐ近くに位置するシュガーローフ・ヒルでは、貯水タンク建設や道路工事が急ピッチで進められた結果、収集できない遺骨がまだコンクリートの下には埋っていると具志堅さんは悔やみます。
が、遺骨収集の思いは世代を越えて引き継がれ、コンクリートの下に眠る遺骨も、いつかは陽の光を浴びる時が来るでしょう、と意外なほど明るく話されます。
そう、何かを成す人は、自らの大変さは語らず、明るい未来を語るんですね。
<三嶋>

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