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特定非営利活動法人
沖縄ある記
(地域文化支援ネットワーク)

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恩納村塩屋の藁算

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今年の春、恩納村の塩屋で見た「藁算(わらざん)」が付け替えられるというので、8月6日、調査に向かった。

この日は旧暦6月25日、六月カシチー。稲の収穫祭で、新米の強飯を食べて祝う日とされるが、数を数えるワラ算とどう結びつくのかいまひとつ飲み込めないまま、神アサギの下で行われる作業を見せてもらい、そのあとの拝所巡りにも同行させていただいた。

親綱に差し込まれるワラ束

ワラを綯うところから始まった作業。みるみるうちに3mほどの縄2本が出来上がり、そこに村人の数より少し多めのワラ束(一つが25本ほど)が差し込まれる。ワラは人の数を表し、450余名の村人の繁栄を願って、人口より多い500本ほどのワラを差し込んだ綱は、そのあと三つ編みにされ、正月のシメ縄を複雑にしたような形に仕上がった。

時刻は5時。区長や役員、5人ほどが集まり、すぐそばのノロ殿内に藁算を捧げると、村人の数を報告して子孫繁栄を祈願した。

そのあと連れ立って部落の南にある産井を拝み、高台にある御嶽に移動して祠で再び祈願した。

御嶽に奉納される藁算

クワジーサーの木に取り付けられる、新しい藁算

以前はマツの大木に縛っていたそうだ。

また、御嶽の後ろはクバ(神様が降りてくる神聖な木)の林で、お産の場所だったと伝えられる。

御嶽の下にある東のカーを拝んで一連の行事が終わると、もとの神アシャギに戻る。一息ついている皆様にお礼を言って現場をあとにした。あたりはようやく日が陰り、夜の気配が漂い始めていた。

それにしても、ほかの地域で見たことがない伝統行事。かつては隣部落の真栄田と宇加地、塩屋をひとつにして仲宗根門中の人々が取り仕切っていたそうで、藁算の形も中央が太いシルエットだったと聞くが、多少の変容を経ながらも、歴史を継承してきた方々の熱意が十分に感じられ、静かな感動を覚えずにはいられなかった。

<三嶋>

 

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3月3日は恩納村「塩屋あるき」です

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來たる3月3日(土曜)、恩納村で「塩屋あるき」を行います。

このところ毎年行なっているもので、その結果は、仲泊にある文化情報センターの端末に反映されるようになっています。

塩屋公民館の協力で、これまで事前調査を複数回重ねていますが、やはり地元の方の話は深いしオモシロイですね。今回も地域の方々が複数参加される予定なので、学びとともにユンタクの場として楽しんでもらえれば幸いです。

※場所は恩納村の塩屋ですよ。間違って大宜味に行かないようにお願いします。

 

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「漢那あるき」をやります

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来たる12月17日(日曜日)、宜野座村漢那の散策をおこないます。
10月には同地の公民館で写真展を実施し、お年寄りなどに懐かしい写真を見ていただきましたし、写真を介して戦後体験を学生たちに語ったりしていただきました。

その際に地元の方々とのつながりもできましたので、今回の散策にも参加していただいて、集落を歩きながら、地元ならではの話を聞かせていただく予定です。

この機会にぜひ、歩きながらユンタクし、地元を楽しみながら学んでいただけたらと思います。ドライブがてら、遠出をしてみるのもいいのではないでしょうか。
みなさまのご参加お待ちしています!



●漢那あるきPDF

<三嶋>

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漢那で写真展

 Category: 案内  Comment : 0


来たる11月9日(木)から11日(土)までの3日間、宜野座村漢那で写真展を開催します。10月30日に制定された「世界のウチナーンチュの日」の関連行事で、海外移民もふくめた漢那の人々がたどった歴史を、写真で振り返ろうというものです。
といっても展示は完成されたものではなく、写真を見ながら参加者同士でユンタクしながら情報を追加したり、かつての姿をみんなで追体験することを目指しています。

戦後体験を語る方々もしだいに少なくなっている昨今、あらゆる機会に地域の戦後史を聞き取り、残していくことが急がれます。今回の写真展にも是非足を運び、お年寄りの話に耳を傾けたり、おしゃべりを楽しんでいただければ幸いです。

<三嶋>



●漢那写真展PDF

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アギヤーの話

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本部の中村英雄さんに、アギヤー(追い込み漁)の話を聞きました。
中村さんはかつて沖縄中の漁港を訪ね、漁法や漁具などの調査を行なっています。漁のようすを説明するために描いた、大きなイラストも見事で、海人の経験や各地を回って得た知見には驚かされました。


本部の追い込み漁は1970年ごろはまだ盛んで、海洋博が来たからダメになったそうです。グラフを見ると、沖縄本島では、本部・伊江の追い込み漁(グルクン)の水揚げが60%を占め、それ以外の漁港では行われていないことが分かります。


詳しく紹介するスペースがありませんが、糸満からはじまったアギヤーが、やんばる各地で盛んに行われていたころの中村さんの話は、体験者ならではの迫力があります。
ぶっきらぼうな言葉の端はしに、透明な海の輝きや男たちの躍動する肢体、獲物で湧き返る市場の姿が垣間見えたようで、胸が熱くなるのを覚えました。

と、同時に、海とともに生きてきたそんな人々が、工夫と努力を重ねて作り出してきた道具や技術が、永遠に失われつつある現実を思うとなんとも言葉が継げません。
かつてのきれいな海が汚され、次第に姿を変えて行く様を日々見ている中村さんの心中は、いかばかりでしょう。
<三嶋>

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