ウチナーセーク親泊次郎さん
2013年11月22日 Category: Myある記 Comment : 1
沖縄の大工・棟梁として知られる、親泊次郎さんのお宅を訪問しました。
数年前には南風原の工房を訪ね、金武の観音寺の図面や大工道具などをお借りしたことがあり、70代後半という年齢をものともせず、緻密な計算をする集中力と作図の見事さに驚いた覚えがあります。
床に広げた大きな紙やベニヤ板に引かれた線が、尋常ではないクオリティを持つことは素人の自分にもはっきりと分かりましたし、そこに、少年期から現場でたたき込まれた経験と、独学で身に付けた専門知識が詰め込まれていることも、十分に推察することができました。
久しぶりにお会いした親泊次郎さんは、柔和なお顔がいっそう柔らかくなったようでした。
いろいろなお話を聞かせてもらいましたが、詳細はまたの機会に譲ります。もう少しこちらが勉強しなければ、うまく書けないと思うからです。
ベニヤ板に描かれた図面(板図)。寺社仏閣の屋根の反り(曲線)も、曲尺1本で割り出せるとのこと。サイン・コサインを使いこなす大工の技術と、今もフル回転する次郎さんの頭脳に驚くばかり。
那覇の町中に建つ、木造3階建ての次郎さんの自宅。京都から取り寄せたスギを使い、さまざまな技巧が駆使されていますが、若い人にその技を伝承したいと壁や天井の一部は取り外され、内部を見ることができるようになっています。写真はその3階部分で、寸分の狂いもなくさまざまな木が組み合わされていることが分かります。
木材の切り込みは地上に横たわった状態で入れられるため、大工には組み上がった姿を頭に描く能力が求められます。また、現場の状況や木材の状態に合わせて調整する能力も、棟梁には求められるとのこと。
培った技や知識を次世代に引き継ぎたいという、次郎さんの願いが実現することを願わずにはいられません。
(三嶋)
Comment
沖縄の古民家の大工になりたくて、一度親泊さんに会って話がしたいのですが、連絡先を教えていただくことはかのうでしょうか?無理でしたら、ここに行けば会えると言う情報でもいただければ。