知念ある記
2013年11月24日 Category: 沖縄ある記 Comment : 0
「知念ある記」報告。
予想に反して参加者が少なく、「イイ天気なのにみんなヤーグマイ(家籠り)かい」と少々八つ当たり気味でしたが、ネットで知って参加された方もいて嬉しくなったので、やっぱり地域散策は面白いなあと最後は自画自賛(課題も多いのですが、とりあえず嫌なことは見ないことにして)
まずは知念集落内の歩き。有名な知念グスクはあえて避け、村の中の暮らしや歴史の痕跡を訪ねました。何気ない風景や日常が面白いのです。
字知念の集落歩き終了後、山の反対側に移動してスクガー(底川)を散策。戦後まで存続したものの、今は森の中に痕跡を留めるのみの屋取(ヤードィ)集落跡です。写真の場所から奥の方(東)に、石積みに囲まれた屋敷跡を確認することができます。
木漏れ日の中に横たわる石積み。生い茂る植物の生命力に白旗を揚げ、底川を守る会(城間光雄代表)の皆さんの草刈りも、ここ数年はままならなかったようですが、半島芸術祭を機に再び闘志に火がつき、樹木と格闘の末なんとか散策コースを再整備するまでになったとか(ご苦労様です)。
新聞に取り上げられたこともあって、この日も見学者が多かったようです。
屋敷跡に転がる陶磁器の破片。ヒンプンやゥワーフール、井戸の跡などとともに、森の中にナマナマしく残る生活跡です。
(三嶋)

字知念の追加取材
2013年11月15日 Category: 沖縄ある記 Comment : 0
現在、字知念(南城市)の地域マップ作りを進めていますが、追加確認のために現地を訪ね、地元の方(前城さん)に案内してもらいました。
地域マップには、できるだけ地元で集めた情報を反映させていますが、ともすれば教科書的な知識を並べたものになり勝ちですので、自戒の念を込めて前城さんの話に耳を傾けました(人によって話が食い違い、何だかよく分からなくなることが多いのも事実なんですが…)。
知念城跡駐車場近くの道路沿いにあるウェーンガマ。道路から2mほど上に見えますが、以前は道路と同じ高さにあって、坂を上り下りする人が、この岩陰で涼をとったり雨宿りに利用したりしたとのことです。知念の集落の多くは、東側の海岸近くにあるため、ヤギのエサなどを苅るために、村の人はこの坂道を日に何度も往復したといいます。
字知念を横切る国道331から見た海岸部の風景。写真右側の、高くなっている部分から隣りの字・具志堅です。撮影地点の背後にはヒージャーガーラという場所があり、知念大川から流れた水が小さな滝をつくっていたようです。地名は、ツブしたヤギ(ヒージャー)を洗っていたことにちなむようですが、現在は覆われた草の間から、コンクリートの排水溝がわずかに見えるだけになっています。
写真に見える農地は、かつてはヒージャーガーラ一の水を利用した水田でした。写真より左側に位置する高台・ウカマシキ(集落の南端)では、昭和40年代ごろまで毛アシビーを行っていたとか。当時の小道具はギターで、男女の出会いの場を盛り上げたようです(弾き手はBGM担当で、損な役回りだったとか)。
(三嶋)

ウクク(小谷)のテスト・マーイ
2013年11月12日 Category: 沖縄ある記 Comment : 0
16日から始まる半島芸術祭で行う、「小谷まーい」のテスト歩きを実施してきました。
集落案内の依頼がこの日にあるということなので、いきなり実戦に臨む形で戸惑いもありましたが、何とか無事に終えることが出来ました。
集落入口の坂道にある「美ら石」で、一休みした後に行われたオカリナの演奏会。その澄んだ音色は周囲の野山をやさしく包み込みながら、斜面を下って流れていくようでした。演奏された方々は、南部の施設などを回って演奏会を催しているボランティア団体とのこと。詳しい話は聞けないままでしたが、またお会いしたいものだと思いました。
(三嶋)

小谷が盛り上っています
2013年11月6日 Category: 沖縄ある記 Comment : 0
南城市全域を会場にした「半島芸術祭」が、11月16日(土曜)から始まため、字小谷でも何だかソワソワし始めているようです。
タカンリと地元で呼ばれる集落の南東にある高台も、生い茂っていた樹木がユンボでなぎ倒され、整地作業の真最中。この場所は、佐敷から知念半島まで眼下に見渡す絶景ポイントで、かつては毛アシビーの名所だったという話もうなずけます。夜空の下で、若者たちが謡ったり、踊ったり、愛を語ったりする場所だったんでしょうね。
樹木を払ったタカンリに現れた大岩。ガケの上にあり、しかも大きな亀裂があるため、転げ落ちないか心配する声も。
ムラのなかで新たに確認した140年前に造られたというヒンプン。一見するとコンクリートのようですが、4枚の琉球石灰岩がピッタリとつながって出来ています。石は牧港で切り出し、馬天まで舟で運んだあと、10人ほどの村人でこの場所まで担ぎ上げたようです。昔の人はエライ!と言う以外、言葉が見つかりません。
(三嶋)

竹取り物語
2013年11月1日 Category: 沖縄ある記 Comment : 0
在来資源・素材を生かした地域活性化を指向する、南城市商工会のお手伝いで、ヤンバルまで竹取りに行ってきました。
お目当ての竹は、「蔓草庵」の島袋正敏さんに同行していただいたので、さほど苦労することなくゲット!
朝からショボ降る雨に濡れたり、川の中を歩いたりもしたので少し疲れましたが、結構テンションが高まり、たまには体を使わないといけないなと思った次第(思っただけで終わるでしょうが)。
かたまって生えているシジャダキ(ホウライチク)の中から、1本ずつノコを使って切り出し。虫が入っているものも見受けられるようで、竹林は切らないとダメになるようです。地元でも竹が使われなくなっていることの証しでしょうか。
竹は直径3cm前後。孟宗竹のように太くありませんが、それでも10本も束ねて担ぐと結構な重量感。キビ担ぎほどではないですけどね。
(三嶋)
