名護市場のブリコラージュ
2016年12月4日 Category: ユンタク会 Comment : 0
名護の公設市場の一角にオープンしたミニ・ギャラリー(?)が気になって、足をのばしました。
以前にも書いたと思いますが、開かれたアートを目指す美術家・宮城一夫氏が、一念発起してスタートしたもの。
野次馬連中の予想を覆し、毎日コツコツと頑張っているようなので、激励を兼ねたユンタクにお邪魔した次第。
何となく周囲に馴染んできましたね。
中身は相変らず雑然として、展示なのか何なのかよく分かりませんが、混沌とした空間全体が作品でもあるような……。
この日は掲示板の基礎にする木の枠を制作中。
集まった人たちが、ありものを使って作るのが、レヴィ=ストロース言うところの、いわゆるブリコラージュ。「野生の思考」がもともと鋭い沖縄の先輩爺さんたちが、嬉々として作業に取り組んでいました。
と、そういえば以前、県立博物館・美術館でおこなった展示会、「チュクイムジュクイ〜風土と建築展〜」が思い出されます。
考えたら沖縄の「チュクイムジュクイ」こそ、ブリコラージュそのものではないでしょうか。
廃虚からスタートした沖縄の戦後はすべてがブリコラージュで、ありあわせの物や道具を、知恵と工夫で使いこなしてきた結果が、今の暮らしを基礎付けているともいえるでしょう。
合理性や計画性より閃きや感覚を重視し、変更もよしとするゆとりこそ、私たちが失いつつある野生の感性だし、ウチナーンチュらしさが一番発揮できる領域ではないかと思うんです。
ただ残念なのは、復帰後の日本化のなかではそのような「野生の感性」が疎まれ、希薄になりつつあること。今こそ必要だと思うんですけどね。
<三嶋>